ラスターとベクターって何?画像の記録方式の違いを解説します。
デザイン業界でよく使われており、それ以外の多くの方には耳慣れない言葉かも知れません。
しかしデザイン業界にいなくとも印刷を依頼したりする場合には重要な概念になり、知っておくとそのような作業がスムーズに行えるものになります。
そんなラスターとベクターのそれぞれの意味、それと両者の違いなどについて解説したいと思います。
ラスターとは
まずラスターについてですが、こちらは私たちが普段よく扱う画像形式のほとんどがこの方式だと思っていただいて間違いありません。
ラスターはピクセルという格子状のマス目に「色」を座標で記録します。
すごく簡単に説明すれば「左端から3行3列目のピクセルは黄緑」というような情報が全てのマス目に記録されている状態です。
そしてこれがいわゆる「解像度」とも関係していて、このマス目が少なければ少ないほど、当然モザイク画のようになってしまいますし、多ければ多いほど密度が高くなり、緻密で綺麗な画像が再現できます。
カメラの記録やWEBサイトなどでよく使われるJPGやPNGからGIF、BMPに至るまでよく使う画像ファイル形式のほとんどはこのラスター画像になります。
ベクターとは
先ほど多くの画像がラスター方式だと説明しましたが、それではベクターとはどういった方式かというと、こちらは主にイラストや設計、印刷などで使われる方式となります。
一番有名なのはAdobeのIllustratorで扱われる「AI」ファイルになります。
こちらはラスターと違い、画像をマス目に記録しません。
ではどのように記録しているかというと画像の持つ線を数式として記録しています。
つまり「X10.Y10の位置から30度の角度で幅5ポイント、長さ100ポイントの直線がある」というようなデータで記録されます。
数式で記録する一番の利点は拡大・縮小が全く劣化せずにできることです。
拡大してもその比率が変わるだけなので、綺麗な直線や曲線を保ったままどこまでも拡大などができます。
ベクターとラスターの違い
それではこの特徴でそれぞれどのような違いが発生するのでしょうか。
先ほども説明した通り、ベクターでは拡大縮小が自由で、いくら拡大しても画像が崩れることはありません。。
一方、点で記録しているラスターは拡大しすぎるとその点ごと大きくなるので、やはりモザイクのようになってしまいます。
このように拡大しても劣化しないメリットがあるので企業のロゴなどのほとんどはベクターで作成されます。
それによって大きな看板に印刷しても全く劣化しないままプリントが可能だからです。
そのほか直線や四角などの表現の多い商業印刷物のデータも多くがこのベクター方式でそこに一部写真などはラスターの画像を載せる形をとっています。
しかしベクターも万能ではなく、逆に写真のような境界が曖昧な表現はもちろん不可能です。また絵画のような繊細なグラデーションを多用するような緻密な画像も作れないため、そのような画像はラスターが使われます。
私たちが普段扱う画像はほとんどが写真のため、ラスター方式のものが多くなるわけです。
またベクター方式を扱うには基本的に特殊なソフトが必要なので、ベクターで作った画像もWEBサイトに載せたりする際にはラスター方式の画像ファイルに変換されます。
逆に印刷業者にデータを送る際には、劣化しない正確なデータが必要なのでベクター方式のものが要求されます。
画質が落ちるラスター画像を拡大したい時
先ほどお伝えした通り、点で記録するラスターは単純にそのまま拡大すると画像が粗くなってしまいます。
しかしそれでも拡大したい場合もあると思います。
ではどうすればいいかというと、VanceAI画像拡大を使うという方法があります。
VanceAI画像拡大を使えば、ラスター画像を拡大した際に生じるピクセルの不足を機械学習したAIが自動で補ってくれます。
なのでピクセルがそのまま拡大されることなく中間点を細かいピクセルで再描写し、綺麗な状態で拡大ができます。
なのでラスター画像解像度を上げるならVanceAI 画像拡大を使うのが非常におすすめです。
まとめ
このようにラスターとベクターにはそれぞれに特性と得意なものがあり、性質がかなり異なります。
そのため状況に応じて適切な方式を使う必要があり、それを知っていることは非常に大切です。
デザインをされていなくとも印刷などで必要となることも多いので、ぜひ覚えておいてください。
そして、ラスター画像を拡大した際に生じるボケを自動で補正してくれるVanceAIもぜひ使ってみたください。