3Dプリンターで格安に建てられるマイホームが一時期話題になりましたが、今は3Dプリンター製造のロケットが新たに注目されています。今回は、その実用性と可能性で爆発的に普及した魅力的な技術「3Dプリンター」の仕組みや応用方法、3Dプリントロケットについて解説します。
3Dプリンターとは？
3Dプリンターとは、コンピュータ支援設計を利用して、積層法で立体物を作成するものです。プラスチックや複合材、バイオ素材などの材料を重ねて、形や大きさ、剛性、色など、さまざまなものを作れます。一般的に、高速で、コストが低く、従来の技術よりも複雑な形状が作成でき、材料の種類も増え続けています。
3Dプリンターの仕組み
3Dプリンターは、オブジェクトの作成が完了するまで、材料を使用して薄い素材の層を積み重ねていくという仕組みです。レイヤーは、3Dモデルを断面にスライスすることで作成され、プリンターがそれを積み重ねて最終製品を形成します。
基本的な流れは、「前処理」「プリント」「後処理」の3段階。前処理では、3Dデジタルモデルを印刷するために準備し、レイヤーにスライスします。その後、プリンターがセットアップされ、材料が装填されます。プリントでは、レイヤーごとにオブジェクトを自動的に作成します。最後に、後処理として、洗浄、仕上げ、研磨を行います。
3Dプリンターの方法・作れるもの
3Dプリンターには、主に次の5つの方法があります。
1. 光造形法
特定の波長の光を当てると固まる感光性樹脂を使用する方法です。レーザー光線やプロジェクターを使って1層ずつ描き、余分な樹脂は排出され紫外線で硬化させます。
作れるもの）フィギュア、ジュエリー、歯科・医療用インプラント、自動車部品
2. 熱溶解積層法
熱可塑性樹脂のフィラメントや粉末を溶かし、層ごとに堆積させて造形物を作る方法です。溶けた材料は加熱されたノズルから押し出され、正確なパターンで蒸着。材料が冷えると固化し下の層と融合します。
作れるもの）玩具、日用品、携帯電話ケース、機能試作品、大型彫刻
3. 粉末法
粉末の薄い層を造形プラットフォームに堆積させ、レーザーで粉末を選択的に溶かし、層を重ねることでオブジェクトを作成する方法です。溶けていない粉末は、印刷されるオブジェクトの支持構造として機能します。
作れるもの）航空宇宙部品、人工装具、医療用インプラント、エンジン部品
4. インクジェット法
インクジェットヘッドを使い、粉末の層に液状のバインダーを滴下する方法です。バインダーが特定の場所でパウダーを固め、層ごとにオブジェクトを作成します。
作れるもの）フルカラーの模型や試作品、ジュエリーなどの高精細なパーツ、建築模型
5. シート積層法
紙やプラスチックなどのシート状の素材をカットしたり重ねたりして、接着剤でつなぎ合わせ、立体物を作る方法です。
作れるもの）大型の模型や建築模型、パッケージの試作品
3Dプリンターの応用ジャンル
3Dプリンター技術は、さまざまな業界で使用されています。
- 製造業
製品開発のプロトタイピング、工具の製造、生産ラインの改良、小ロット生産など。
- 医療業
カスタムフィットプロテーゼや義肢、人工骨や歯の製造、モデル作成、手術前のシミュレーションなど。
- 建設業
建物のモデル作成、建材の製造、部品の製造、リフォームや修繕のプロトタイピングなど。
3Dプリンターロケットとは
現在アメリカでは、3Dプリンターで製造された世界初のロケット「テラン1」を打ち上げる準備を進めています。部品の数は既存のロケットの100分の1で、原材料を集めた段階から60日以内に完成すると言われています。
液体酸素と液化天然ガスを燃料とするエンジンも、すべて3Dプリンターで作成され、より信頼性が高く、安価で頻繁に宇宙へアクセスすることが可能になります。
原理
エンジンの燃焼室は、ニッケルと鉄の合金であるインコネルをダイレクトメタルレーザー焼結というプロセスで印刷し、室圧6,900キロパスカルという超高温で作動します。
将来性
ここ数年、ロケットの打ち上げ数は飛躍的に伸びており、昨年は145基のロケットが打ち上げられています。今後は、宇宙探査のための3Dプリンター製のロケットが、増え続けることが予想されます。
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まとめ
3Dプリンターは、今後さらに普及の加速が見込める技術です。個人で楽しめる3Dプリンター製品も増えているため、ビジネスや趣味など、新たな可能性を模索してみましょう！
